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立命館大学男子陸上競技部は立命館大学の体育会の部活です。

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伊坂忠夫部長コラム2018年

9月

【氷山に例える応用問題の解決】

  今年の夏、東京キャンパスで、高校生を集めた2日間のワークショップを開催しました。ワークショップタイトルは、「スーパースポーツ科学プログラム」です。約60名の参加がありました。事前課題として、政府が発表している未来予測、社会変化に関する資料を読み込んできて、教育、研究、社会貢献、未来像などの観点でレポートをまとめてきてもらいました。
 
その事前課題としてまとめてきた内容をもとに、6名ごとに分かれた班でグループワークを行います。まずは意見交換、情報共有をした上で、「20年後の未来予想とその時の各自の貢献」というお題を出して、各班でさらに議論を深めて、必要な資料をさらに調べて、発表内容にまとめていきます。
 集まった高校生が凄い!と感心したのは、スマホを最新の情報機器として活用していることです。ネット検索はもちろんのこと、議論を録音して文字お越しに活用したり、プレゼン資料を作成したりして、使いこなしていました。

 グループワークの進め方も見事で、自分の意見を言うだけでなく、仲間の意見を取り入れ、組み合わせを考えて新しい提案につなげるなど、議論を積み重ねることができていました。大学の教育においても、授業スタイルとして
PBLproject/problem based learning)が盛んに言われていますが、集まった高校生たちは見事に実践していました。

 
その中で、20年先の課題設定(これらの応用問題)を解いてもらうのですが、やはり鍵となるのが、基礎力・基礎学力(教養)ということを実感しました。広い意味での教養をベースに持ち、その上に多様な専門性を積み上げ、議論することで、応用問題の解を見つけられるのではないかと考えました。いわば、海にうかぶ氷山の見えている部分が、「解」だとすればそれを導くための基になるのが、教養であり、その上に多様な専門性の議論が見えないところで母体となっている、ということです。

 これから益々多様な専門性が求められる時代であればあるほど、基礎となる幅広くてしっかりとした教養がより必要になってくるのでしょう。

 

 20180914 伊坂]

7月

『学生の力』

  立命館大学は、全国型の入試を展開しているおかげで、近畿圏からの在校生が50%、残りの半分が近畿県外から来てくれています。全国47都道府県のすべてから在学してくれています。そのため、各都道府県に校友会とともに、父母教育後援会が組織されています。毎年、6月から7月の週末に、全国都道府県を大学の教職員が手分けしてまわり、保護者の方、校友と懇談する機会を設けています。

 今年は、香川県と青森県を担当させてもらいました。1日キャンパスと銘打って、大学の先生による講義も織り交ぜながら、大学の様子、学生たちの様子をお話しして、直接、保護者のみなんさんと懇談します。保護者の皆さんからは、生活、学業、留学、キャリアの面での心配や質問も多数寄せてもらい、それらに対して丁寧に説明することで、安心してもらい、利用できる大学の制度などを理解してもらう機会になっています。

 このような懇談の場で、保護者のみなさんからよく聞くのが、「大学が楽しい」「先輩が優しい」「何をしてるのかよく分からないが楽しそうにしている」という言葉です。1回生の時には、オリターなどの先輩たちが小集団でサポートしてくれて、大学のことを知るきっかけになり、クラブ、サークルを通じて、友人関係、ネットワークが広がり、学生生活の中での充実感を得ているようです。

 いずれにしても、在学生によるサポート、ネットワークにより、遠く離れた地方からこどもを送って頂いている保護者のみなさんも安心していただいているようです。大学は学問を追究する場であることは間違いありません。ただし、教える側、学ぶ側だけで大学が成立するものではありません。正課としての学問追求とともに、学生生活の基盤づくり、課外との両輪による成長には、学生同士の学び合い、助け合いが大きな力となっています。この学生の力というのも、大学の大きな魅力であることを改めて感じさせてもらえました

 

 20180708 伊坂]


4月

●【鉄人 衣笠選手】

  先日、元プロ野球選手の衣笠雄さん(広島カープ)の訃報を新聞で知りました。京都の平安高校出身で、練習の虫ともいわれていて、何よりも、アメリカ・メジャーリーグのリプケン選手に抜かれるまでは、連続試合出場の世界記録保持者でした。現在でも第2位です。チーム内での競争も激しいプロの世界では、一時の不調であっても試合から外される世界にあって、安定した実績を残してきた証拠でもあります。

 同時に、体調をきちっと維持してきたからこそ連続試合出場ができたことはいうまでもありません。ただ、衣笠選手は、デッドボールを受ける回数も他の選手にくらべて格段に多く、中には骨折を擁するものもあり、連続試合出場がとぎれたか?という時にも、ケロッとして代打で出場したというところもあり、「鉄人」とよばれるところでした。

 とりわけ、デッドボールにより肩関節を骨折したときは、テーピングで腕をぐるぐる巻きに固め、バットを振れるような状態では無いにも関わらず出場し、フルスイングで三球三振なりました。試合後のコメントはしびれるものでした。「一球目は広島ファンのため、二球目は自分のため、三球目はデッドボールを当てた投手のため」。

 衣笠選手は、デッドボールを当てられても、激高することは一度もなく、「いいよ、いいよ、俺は大丈夫!」というように、いつも相手ピッチャーに手を振るような仕草で、何事も無かったような対応ができる、極めて珍しい選手でした。通常、なかなかその様な対応、態度はとることは難しく、激しい衝突を生じることにもなります。そんな衣笠選手だからこそ、骨折までさせたデッドボールを投げたピッチャーにまで配慮ができたのでしょう。

 競技実績だけでなく、態度、行動までが素晴らしく、対戦相手をリスペクトできる選手は本当に素晴らしい限りです。衣笠選手のような素晴らしい見本を日本のスポーツ界全体の宝にして欲しいと心から願っています。

 

 20180428 伊坂]


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