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立命館大学男子陸上競技部は立命館大学の体育会の部活です。

TEL.077-566-1111(大学代表)

〒525-0058 滋賀県草津市野路東1-1-1クインススタジアム


伊坂忠夫部長コラム
2013年


12月

【コラム】成功の鍵

「成功する鍵は何でしょうか?」という漠然な問いかけに、すぐに明快に解答するのは困難でしょう。「成功」の定義も、環境条件、設定条件もさまざまですので。ただ、大きな意味で、目標を達成する鍵は何でしょうか?と問い直してみると如何でしょうか?

各人が考えつく答えも多岐にわたるかもしれません。このような問いに対して、ある研究が明らかにしたところによると、“やり抜く力”である、としています。学校の成績においても、決してIQによって決まるのではなく、この“やり抜く力”が重要であることを示しています。このことは、セールスマンの成績、研究開発においても同様に指摘されています。

先日読んだ、「考える力」の鍛え方(上田正仁著)の中で、『創造する力』を育てるには、

@問題を見つける力 A解く力 そして、B諦めない人間力、が必要としています。Bはまさに、やり抜く力のことであり、諦めず、根本的な解決が見つかるまで粘り強く考え続ける能力のことです。

 では、どうすれば、やり抜く力が身につくのでしょうか?アインシュタインの言葉を借りると、「私に特別な才能なない。ただ、情熱的と言えるほどに好奇心が旺盛なのだ」ということにたどり着きます。自分自身が本気になって取り組める興味あるものに情熱的かつ集中することしかありません。時にその情熱が薄らいだときは、少し離れてみたり、情熱的に活動している人に近づいたりしてみることも、再度、情熱を燃えあげるきっかけになるかもしれません。

いずれにしても、『成功』『目標達成』に向けては、情熱をもち、集中し、時間とエネルギーを注いで、「やり抜くこと」、なしには成し得ないでしょう。

20131212 伊坂]




11月

【コラム】 No attack, no chance!

 先日、F1ドライバーで大活躍した佐藤琢磨さんの講演を聴く機会がありました。タイトルは、そのときに彼が話した言葉で、彼のレース信条、人生の指針として大事にしているものです。彼の人生の来し方が、タイトルに表現されたとも言えます。以下その内容を紹介します。

 小さい頃から動くもの、乗り物が大好き。子供の頃に鈴鹿のF1の観戦で大興奮。高校時代は、自転車が大好きでサイクルショップ(自転車屋さん)に集まるお客さんたちと週末のツーリングに出かけるのが趣味。そのときに、結構、強いことを自他共に自覚していたようで、あるとき、「大学入学の一つの方法でスポーツ入試というのがあるよ」と知らされ、そのことを調べるようになる。スポーツ入試を受けるには、高体連が開いている大会(インターハイなど)で活躍することが条件となっており、週末のツーリングではその実力を証明することができない。当時通っていた高等学校には無かった自転車競技部を高校3年の時に設立。もちろん、そのために、顧問になってもらえる先生と学校を説得した。このときの経験が、『人に熱意を伝え、本気で向き合えば道は開くこと』を実感させることになる。それ以降はまさにアタックの連続になる。

高校に無事、自転車競技部ができ、インターハイに出場。なんと見事に優勝!そのおかげで、多くの大学から勧誘を受けるようになる。最終的には、W大学を選ぶが、当時のスポーツ特別入試は受験資格のみが競技実績で与えられ、その後に学科試験が課されていることを知る。その対策に、予備校に通い(もちろん自転車の練習を兼ねて往復4時間自転車に乗る)、見事合格。

大学入学後も順調に競技成績は伸ばし、1年、2年ともインカレ上位入賞。ただし、2年生のときに、車の雑誌で目にした記事が彼の人生を変えることになる。その記事とは、「レーシングドライバー養成学校の生徒募集」。19歳までが応募の上限年齢。小さい頃からの憧れもあり、「これだ!」と思い説明会へ参加。そのときの競争倍率はなんと10倍。説明のあとに手をあげて質問、「選考はどのようにされるのですか?」。答えはなんと「書類選考のみです」。自動車レース、カートレースの実績のない自分では選ばれない。そこで再度手をあげて、「1分でも良いから面接してもらえませんか」と説明者に要請。その熱意が伝わったのかその場で面接が導入実施されることに。そうなればしめたもの、熱意と本気を面接者に伝え、見事合格。その後、佐藤琢磨さんがレーサーになってからの活躍はご存じの通り。

 世界で大活躍するに相応しい華があり、話も上手で、引き込まれて聴いておりました。レースを始めるには遅すぎる年齢にも関わらず、見事に自らの道を切り開いた。レース同様、アタックの連続で、自らの意志で、自らの道を切り開いた人の素晴らしい講演でした。

「本気で取り組む」ということの本質、示し方を教えてもらいました。

20131116 伊坂]



10月

【コラム】OBOG運動会

暑い夏が長く続きましたが、ようやく秋晴れの晴れやかな季節になりました。地域の運動会が、賑やかに開催されています。 まさにスポーツの秋、到来です。

 1012日の土曜日には、クインススタジアムで陸上競技部のOBOG記録会が開催されました。ご存じのように、今年の春、クインススタジアムは全面改修されました。このグラウンド改修を記念して、若手のOBOGが中心となって企画したイベントでした。中には、子どもさんも連れて来てくれて、幅広い年齢層が秋晴れの中、陸上を目一杯楽しんでくれました。

 懐かしいOBOGの元気な顔を見て、当方も元気をもらいました。卒業以来初めてみる顔もたくさんありました。大学の良いところは、卒業生が母校に帰ってきて、母校に活力を与えてくれることです。もちろん、大学も卒業生に活力・エネルギー・情報などを与えられるようにしておく必要があります。

 何よりも「帰ってきたくなる」「立ち寄りたくなる」存在でありたいと大学人としていつも願っています。

 今回の企画を含めて、大学のクラブを連綿と支えてくれているOBOGが大学、大会などに来てもらえるのは非常に嬉しいものです。社会に出て忙しい時間を割いて顔を見せてくれるのは、有り難いことです。是非とも、今回のOBOG運動会を定例に開催してもらい、今後も現役学生、多くの関係者に活力を与えて欲しいと願っています。

20131017 伊坂]



8月20130824.pdf へのリンク

【コラム】裸足のランニング

裸足で砂浜、芝生の上を走ると、普段履いている靴から足が解放され、足裏が直接大地と接触する感触が心地よく感じられます。クインスで練習している陸上の選手たちも、クールダウンの時に、フィールドの芝生で走るのをよく見かけます。
 
歩行運動・ウォーキングエクササイズでは、踵から接地して、最後は拇指球でしっかり蹴って、と指導されます。では、ランニングではどうなっているかを調べた研究では、長距離種目では、踵からの接地が多く、中距離になると中足部の割合が増え、短距離では前足部と中足部の接地が圧倒的に多くなります。


では、裸足のランニングと靴を履いたランニングではどのように足をついているのでしょうか?という疑問に対して、2010年にNatureという学術雑誌に、ダニエル・リーバーマンが習慣的に裸足で走っている人とシューズを履いて走っている人の着地衝撃を比較した研究論文を発表しました。シューズを履いている人は踵からの接地が多く、接地直後に衝撃力が現れます。一方で、習慣的に裸足で走っている人は前足・中足部からの接地が多く、接地後の衝撃力が観察されなかったと報告しています。

 この接地直後の衝撃力は傷害発生に結びつけて考えられ、論文発表以降、裸足、シューズ、さらには裸足の感覚に近いような足袋のようなフットウエアと足部の接地の仕方、衝撃力の関係、また各条件でのメリット、デメリットの論争が激しくなってきました。この研究成果から、裸足でのランニングを急に始めて故障するケースもでています。裸足でのランニングがシューズを履くより良いのだ、と勘違いしないことです。リーバーマン自身も語っているように、「シューズによる踵接地による着地衝撃が必ずしも傷害に結びつくのではない。この件に関してはさらなる研究が必要である。」ということを説明しています

ただ、スポーツ整形外科の専門家は、裸足でのランニングでは足の指がしっかりと働き、また足関節周辺の小さい筋肉も動員されるので、脛の痛みが生じるシンスプリントの予防、改善につながると指摘しています。もちろん、そのときのランニングペースは慎重に選択する必要があります。

しっかりと大地を捉えながら、はだしの足元を見つめて走ってみるのも、身体への気遣いを覚えるきっかけになるでしょう。

 20130824 伊坂】

6月20130601.pdf へのリンク

【コラム】本気になる

先日、スポーツ健康科学部の2回生を対象とした授業のゲスト講師として、斉藤 直氏(NPO法人アダプティブワールド理事長)に講演してもらいました。斉藤さんは、日本体育大学の在学中、3年生のゼミがきっかけとなってコロラドで障害者のスキーに出会い、そのときに全米障害者スポーツ協会で働く経験を得て、ボランティアスタッフの働き、アメリカの寄付についての考え方、そしてNPO法人の仕掛けを知るきっかけとなりました。卒業後、日本の障害者関連の施設で働くようになるが、アメリカでのものと全く違に驚き、一念発起して、23歳のときに『アダプティブワールド』を立ち上げ障害者専門のスポーツ教室の運営を始める。のちに、NPO法人アダプティブワールドを設立し、10年間運営してきている。

 このような経歴をお持ちの斉藤さんから、この間の経験を通じて、『ホンモノの社会人になるには?』というメッセージを次のようにまとめてもらいました。

@   世の中(が)で必要とされていることは何か?を知る

A 勝負できるスペシャリティをもつ(自分の長所を伸ばして差別化する)

B サブスペシャリティ(みんなより少し秀でているものをもつ)

C スペシャリティとサブスペシャリティをかけ算できる人

D 人間力(「あなたでなければ困る」という人間力、信頼)

E 交流できる力

 これらの力をつけるためには、「将来のために、時間を投資しなさい!」というメッセージをもらいました

 時間とお金について、『消費』と『投資』を教えてもらいました。消費とは、まさに使えば無くなるもの。投資は使えば増えるもの。例を挙げてみると、本を買う場合に、単に楽しむだけの娯楽本を買って読むのか、次の展開(将来)を考えて投資の本を買うのか。さらには、投資の本を買って、しっかり読み込めば投資が高まる。もちろん、娯楽本である漫画も、読み方、使い方によっては投資になります。要はどのような意識で、自分の時間とお金を使うのか、ということが大事であることを示唆しています。

 それから、大学生(若者)の特権として、「世の中の人は、自分の将来のために頑張っている若者に対しては優しい。ただで教えてくれる。ただし、本気で取り組む姿勢が前提。」とのメッセージももらいました。

 私の好きな言葉に、『真剣に取り組めば知恵がでる。いいかげんだと言い訳がでる。中途半端だと愚痴がでる。』というのがあります。学生には本気モードで取り組んで、自らの持てる才能と知恵を伸ばして世の中に貢献する人材(未来を拓く人)になって欲しいといつも心から願っています。

 20130601 伊坂】


5月20130501.pdf へのリンク

【コラム】スポーツ記録の向上にかかわるもの 

スポーツの記録向上には、トレーニングがかかせません。トレーニングによって、その競技に求められる身体適性(身体能力)が高められます。長距離選手には、長い時間効率よく運動を継続するために、酸素を多く摂取できる能力(最大酸素摂取量)を高める必要があります。

同時に、スポーツ技術(スキル)を高めるトレーニングを並行しておこないます。興味深いことに、この間のスポーツ技術の革新(進歩)は選手の飽くなき探求心から生まれています。例えば、走り高跳びの技術が、はさみ跳→ベリーロール→背面跳(フォスベリーフロップ)に変遷してきたのは、決められたルールの中で最高のパフォーマンスを生むための選手の創意工夫です。新しい技術を身につけるためには、それ相応の身体能力が必要になるのはいうまでもありません。いわば、車の両輪の関係にあります。

身体能力、スポーツ技術に加えて、パフォーマンスに影響を与えるものに、用具・装具があります。この用具・装具の改良にも選手の意見・アイデアが十分に盛り込まれていますが、研究者が開発して、スポーツパフォーマンス向上を急激に進めたおもしろい事例として、スピードスケートが上げられます。スピードスケート選手の動作解析を行っていた研究者によって、1997年頃より踵がブレード部と離れるクラップ(スラップ)スケートが導入され、記録の向上がもたらされました。同時にそれまで選手を悩ませていた、脛の痛みを無くし、まさに選手が欲しかった道具で、記録へ貢献するというイノベーションの見本になる改良でした。

スポーツ記録に影響を与えるものをもう一つ上げるとすると、それは環境です。天候などのグラウンドコンディション、走路のサーフェイス、観客の盛り上がりなど、環境も記録に大いに影響を与えます。

以上のように、スポーツ記録・パフォーマンスには、選手の能力・技術、用具・装具、環境が、程度の差はあれ影響をします。これらを最善に整えた上で、最高のパフォーマンスを発揮することを選手は日々考えています。非常に創造的な活動であり、挑戦的な活動です。

コントロールの難しい環境は、できればベストなコンディションにして欲しいと心より願って試合を応援しています。

【伊坂】

4月20130325.pdf へのリンク

【コラム】クインススタジアムの改修工事完了

 陸上競技部のメイントレーニング施設である、クインススタジアムの改修工事が終了し、新しい9レーンのトラックで練習ができるようになりました。工事は、今年は例年以上に、雨、雪が多く、また気温が上がらない日が続いたために少し伸びてしまいましたが、すばらしいトラックに仕上がっています。

今回の改修中では、トラック部分をすべてはがして、路盤の水平を取り直し、その上に砕石、アスファルト舗装、さらにはゴムチップを引いて、そしてその上に3,4層の塗装(舗装)を手作業でしていきます。写真は、ゴムチップの上に一層目の舗装を職人さんが行っているところです。現場の方にお聞きすると、この職人さんたちは、グラウンドの舗装をする専門家で、全国のグラウンドの舗装を手がけておられるとのこと。この舗装作業の大敵は「雨」で、雨が降り始めたら作業中止、もちろん雨の日は作業できません。最後の仕上げの時には、本当に夜通しに近い作業をしていただきました。

この改修工事にあたっては、長年の要望を大学が受け止めてくれたおかげでもあります。その意味ではこの間の活動に対して認めてもらっているのと同時に、今後の活動、競技成績だけでなく、大学のクラブとしてのモデル、文武両道、人間力など総合的な力量形成に対する大きな期待と受け止めています。恵まれた環境でさらに、高いレベルの競技力を目指すとともに、クラブ全体としてのマネジメント力、チーム力の向上とともに、大学スポーツのあり方を示すモデルクラブとなることを部員たちも十分に意識しています。

 びわこくさつキャンパスの正門をくぐったところにある、目立った場所にあるクインススタジアムで、立命館を代表し、日本の学生スポーツを代表する人材が育つと確信しています。引き続き、ご支援いただいている皆様のご支援とご協力をお願いします。

【伊坂】


バナースペース

立命館大学男子陸上競技部

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滋賀県草津市野路東1-1-1クインススタジアム内
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