本文へスキップ

立命館大学男子陸上競技部は立命館大学の体育会の部活です。

TEL.077-566-1111(大学代表)

〒525-0058 滋賀県草津市野路東1-1-1クインススタジアム


伊坂忠夫部長コラム
2012年

12月

事業の成功には準備が90%を占める】

先日、学内で2010年4月にスペースシャトルに搭乗して国際宇宙ステーションで数々のミッションを遂行した山崎直子さんの講演会がありました。その講演の後半部分で、標記の「事業の成功には準備は90%を占める」という言葉が出てきました。ご存じのように、宇宙飛行士を宇宙へ運び、そして宇宙空間で数々のプログラムを実践するためには、任務遂行のための技術・能力を訓練で養成する必要があります。当然、日常空間ではない状況のため、あらゆる事を想定した訓練も行われます。例えば、スペースシャトルが帰路に使えず、ソユーズで帰還して、想定外の海へ落ちたときの緊急脱出訓練、また緊急時の応急手術なども習うようです。いずれも可能性は低いけれども、可能性としてリスクがある場合には、対処法を必ず実施しておくことでリスクマネジメントすることになります。

このことは、競技場面でも十分通じる話です。試合会場、走路を事前に確認し、試走するのはメンタルリハーサルにもつながります。シドニーオリンピックの女子マランソンで優勝した高橋尚子選手は、事前の試走の時に、「ここでスパートするんだよ!」と繰り返し小出監督と打ち合わせていたのは有名な話です。

現在、練習場として使っていたクインススタジアムは、トラックの張り替え工事のため11月末から2月まで使用ができない状況になっています。そのため、部員たちは近隣のグラウンドを借用してトレーニングを続けています。普段であれば、学内でトレーニングができる状況が、余分な時間もかかり不便な状況となっています。ただ、部員からは、「このような状況であるからこそしっかり準備をしてシーズンに望みたい」「この環境を利用して、知恵を出してトレーニングする」と前向きな発言があるのは喜ばしいことです。是非とも、与えられた環境の中で、徹底した準備で来シーズンの成果を高めて欲しいと願っています。

【20121217  伊坂】

11月

エリック・ワイナイナ

1996年アトランタオリンピックで銅メダル、2000年シドニーオリンピックで銀メダル、2004年アテネオリンピックで7位入賞、というオリンピック3回連続出場、入賞した、マラソン選手、エリック・ワイナイナさん(ケニア)の講演とランニング教室が地元の小学生対象に行われ、娘と参加してきました。

 

ワイナイナさんの座右の銘である、Never give up!が講演タイトルでした。ケニアでの高校を卒業後に、単身で来日し、実業団チーム(コニカミノルタ)で活躍したことは周知の通りです。日本語もよく分からない中で、今では笑い話となってしまうようなトラブルも数々あったようです。そのような実業団生活の中で、走るのが楽しくてしかたがなかったようです。

http://www.ritsumei.jp/blog/spas/20121105-3.jpg

初マラソンは、1994年の北海道マラソン。暑い中でのレースでしたが、初マラソン初優勝を飾り、マラソンランナーとしての活躍のスタートを切ることになりました。その後の活躍は、最初に示したようなオリンピックでの活躍に見られるようにめざましいものです。

 

 ランニング教室で小学生を教えているときの印象は、非常に明るく、ランニングの魅力をこどもたちへ楽しく語りかけ、こどものモチベーションを高めていました。現代版のマランソン伝道師のような感じで、こどもたちも周りにまとわりつきながら、アイデアを工夫したトレーニングを熱心に行っていました。「走る」というのは、哲学的に見れば人間の本能的な表現であるといえます。ワイナイナさんを見ていると、「喜び」と「意欲」の表現者であり、こどもたち、おとなに関わらず、その表現を感化させられる影響力をもつ素晴らしい人物で、私もすっかり魅せられてしまいました。

 

講演会ランニング教室を通じて、『夢・志をしっかり見据え、日々の生活、トレーニングを情熱をもちながら着実に積み上げること、続けること』を優しい語り口でこどもたちに伝えてくれました。彼の次の目標は、100kmマラソンの世界記録更新。必ず実現すると確信できる情熱と信念のランナーです。

 

【20121112 伊坂

10月

●「好きなこと」と「得意なこと」

大学の講義の中で、外部のゲスト講師をお招きして、学生たちに将来のキャリアを意識させる授業の担当を行っています。先日、国立スポーツ科学センター 平野裕一先生にお越し頂いて講義をしていただきました。その中で、「大学は、より質の高い生活を営むために必要な能力を身につけるところ」である、とお話頂きました。そのためには、正課、課外の中でしっかりと力をつけなさい、自分の特徴をしっかりつかみなさい、そして自らの可能性を広げなさい、とメッセージを頂きました。平野先生自身、高校・大学と野球に打ち込み(野球漬けの毎日)から、大学院、教員と進む中で、野球の科学的研究ならびに指導者としてキャリアを進められました。その経験の中で、指導者として、「我慢強い」「練習・トレーニングの内容に疑い深い」「チーム独自、選手個別の練習・トレーニングで取り組む」など、自らの指導者としての特長をまとめられました。

 キャリア形成科目を担当していて、学生のみなさんから、「将来は自分の好きなことを仕事にしたい!」という声を良く聞きます。そのときに、「では好きなことのレベルが大事ですよ」と話すようにしています。自らの好きなことに人は楽しみ、かつ興味を持って取り組みます。非常に大事なことです。一方で、仕事として進めるためには、単に好きなことというレベルではなく、その好きなことをとことん突き詰めて、その分野では誰にも負けないぐらいの知識、能力を身につけている必要があります。言い方を変えれば、そのレベルになると十分に仕事として通用する「得意なこと」のレベルになっているといえます。

 将来を見据えて、また自らのキャリア開発を願っている学生たちが、大学、社会の中でしっかりと自らを理解し、能力を高めて、自らの望むキャリアを歩んで欲しいと心から願っています。そのためには、「得意なこと」をしっかり伸ばしておくことです。宮沢賢治の言葉に、「個性の優れる方面に於いて各々止むなき表現をなせ」というものがあります。まさに、自らの個性(特長、得意なこと)をしっかりと理解し、伸ばし、それぞれの方面でそれを表現せよ、という意味です。「キャリア」を考えるときにいつも浮かぶ言葉です。

 大学の大きな使命は、各方面でキラキラと輝く人材が巣立つことです。大学のHPにもあるように、『未来を生み出す人になる』ように。

 

【20121007 伊坂

10月

●「好きなこと」と「得意なこと」

大学の講義の中で、外部のゲスト講師をお招きして、学生たちに将来のキャリアを意識させる授業の担当を行っています。先日、国立スポーツ科学センター 平野裕一先生にお越し頂いて講義をしていただきました。その中で、「大学は、より質の高い生活を営むために必要な能力を身につけるところ」である、とお話頂きました。そのためには、正課、課外の中でしっかりと力をつけなさい、自分の特徴をしっかりつかみなさい、そして自らの可能性を広げなさい、とメッセージを頂きました。平野先生自身、高校・大学と野球に打ち込み(野球漬けの毎日)から、大学院、教員と進む中で、野球の科学的研究ならびに指導者としてキャリアを進められました。その経験の中で、指導者として、「我慢強い」「練習・トレーニングの内容に疑い深い」「チーム独自、選手個別の練習・トレーニングで取り組む」など、自らの指導者としての特長をまとめられました。

 キャリア形成科目を担当していて、学生のみなさんから、「将来は自分の好きなことを仕事にしたい!」という声を良く聞きます。そのときに、「では好きなことのレベルが大事ですよ」と話すようにしています。自らの好きなことに人は楽しみ、かつ興味を持って取り組みます。非常に大事なことです。一方で、仕事として進めるためには、単に好きなことというレベルではなく、その好きなことをとことん突き詰めて、その分野では誰にも負けないぐらいの知識、能力を身につけている必要があります。言い方を変えれば、そのレベルになると十分に仕事として通用する「得意なこと」のレベルになっているといえます。

 将来を見据えて、また自らのキャリア開発を願っている学生たちが、大学、社会の中でしっかりと自らを理解し、能力を高めて、自らの望むキャリアを歩んで欲しいと心から願っています。そのためには、「得意なこと」をしっかり伸ばしておくことです。宮沢賢治の言葉に、「個性の優れる方面に於いて各々止むなき表現をなせ」というものがあります。まさに、自らの個性(特長、得意なこと)をしっかりと理解し、伸ばし、それぞれの方面でそれを表現せよ、という意味です。「キャリア」を考えるときにいつも浮かぶ言葉です。

 大学の大きな使命は、各方面でキラキラと輝く人材が巣立つことです。大学のHPにもあるように、『未来を生み出す人になる』ように。

 

【20121007 伊坂

4月

●少年よ大志を抱け

札幌農学校のクラーク博士が、“Boys, be ambitious”と語った日本語訳として有名な言葉です。

びわこ草津キャンパスでは、新入生を迎えて、2012年度がスタートしています。桜満開の時期に、大学の門をくぐり、この大学という自らを鍛える場所に立って、これからの人生の行く末をしっかり見定めて、正課、課外の学びからより成長して行ってくれることでしょう。

人生には色んな節目があり、考えや行動を整理する機会が複数あります。大学入学は、その節目の中でも大きなものとなります。新しく入学した学生たちが現時点で望んでいる未来はどのようなものなのでしょうか?明るく、希望に満ちた未来を想い描いていることと思います。

不思議なもので、明確な目的意識をしっかり持っている人(アスリート、社会人も同様)は、その目標達成のプロセスが明確で、目標を成就しやすいと言われています。ですので、新年度を迎え、新入生も在校生もあらたなスタートを切るために、「大志をたくさん抱いて欲しい」と願っています。その大志が、未来につながり、日本の、そして世界の未来にも貢献するものになることを願っています。

標題と類似した言葉に、吉田松陰の次の言葉があります。

              夢なき者に理想なし

              理想なき者に計画なし

              計画なき者に実行なし

              実行なき者に成功なし

              故に、夢なき者に成功なし

大志・夢・目標をしっかりと据えて、計画をたて、実行して、それらの実現をかなえて欲しいと願う春の時期です。

【20120419】


3月

●スポーツ討論会「スポーツは本当に必要か?」

 3月中旬に、早咲きの山桜、河津桜の咲くヤマハリゾートつま恋で、公益法人ヤマハ発動機スポーツ振興財団が主催した「スポーツ・チャレンジャーズ・ミーティング」に参加してきました。同法人の事業の柱は、スポーツを通じて「夢を持つことの素晴らしさ」、そして「チャレンジすることの尊さ」を広く社会にメッセージすることであり、この会の開催趣旨そのものにあたります。
 参加者の多くは、『チャレンジャー助成』を受けた日本、世界の舞台で努力を続けてきたアスリート、指導者、研究者と審査委員の先生方です。1年間のチャレンジを振り返り、互いに語り合い、刺激する会として開催されました。チャレンジャー同志の報告、交流だけでなく、基調講演、スポーツ討論会、スポーツチャレンジ賞の報告もありました。
 今回のスポーツ討論会のパネリストならびにファシリテータを務められたのは、法政大学の杉本龍勇教授(バルセロナオリンピック4×100mリレーに出場、中京大学大学院博士課程修了)でした。自らがトップアスリートとして活躍し、その後、トレーニング指導の現場で活躍されるとともに、スポーツマーケティングの分野で研究をされています。
 討論会のテーマは、「スポーツは本当に必要か?」という設定であり、冒頭の説明において、「この場で答えを出そうとは思っていない。でもしっかり考えて欲しい」というところから討論会が始まりました。参加者から、テーマの問いに対して、一定の見解が示された後、杉本氏より「定期的にスポーツをしている人口は、過半数いない。むしろ少数派である。ということは、社会の大多数の眼でみたときにスポーツへの想い、考え方はスポーツに打ち込んでいる皆さんとは違う。」という見方が示された。その一方で、社会全体におけるスポーツへの期待は、@社会性に優れる(コミュニケーション、人格、行動)、A競技力(国際競争力)、B社会性>競技力(ロールモデルとしての役割)であることの考えが示された。さらに、『スター選手』の資質としては、@人を魅了する、A高い競技力、B高い付加価値を有する、にある。スター選手と一流選手との違いは、付加価値、人格、行動にあり、付加価値を磨くことが重要である、と未来のスター選手となるチャレンジャーへ語りかけ、あるべき姿の方向性を示していた。
 大学に学び、スポーツ活動でさらに成長を深める「学生アスリート」は、学生として学びを深め自らを磨き、競技を通じた研鑽の中でさらに成長を遂げる。大学での学び、スポーツでの活動・体験を両輪として、人格、社会性を高めるとともに、さらにより多くの付加価値を身につけて、社会の各所で活躍する存在になって欲しい、ということを再確認できた討論会であった。

バナースペース

立命館大学男子陸上競技部

〒525-0058
滋賀県草津市野路東1-1-1クインススタジアム内
立命館大学体育会男子陸上競技部

TEL 077-566-1111(大学代表)

inserted by FC2 system